11月4日 の「アサザイ 今日の1社」はヒロセ電機(6806・東証1部)を放送しました。
今回は、管理本部 IR室長 須崎 英雄様にお越しいただき、事業内容、売上高の構成、強み、今年度の状況等についてお話を伺いました。
同社は産業コネクタの開発・製造・販売をしている、コネクタ専業メーカーです。
2019年度の分野別売上比率は、産業機器向け32%、スマートフォン向け25%、自動車向け20%、コンシューマ機器向け16%であり、市場シェアの強い分野は主にスマホ、コンシューマ向けの小さい(マイクロ)コネクタです。
収益性を一番の経営指標として運営している同社は、現在中期的に自動車向けの売上が伸ばすことで収益性を伸ばすべく、自動車向け事業の先行投資を計画的に進めております。
今回はそのような同社の取り組みについて、詳しくお話を伺いました。
井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください
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取材後記
ヒロセ電機(6806)(東証1部)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、管理本部IR室長の 須崎 英雄(すざき ひでお)様
「分野横断的な提案力の強化」
▼創業83年を迎えている電子部品コネクタの専業メーカー
電子部品コネクタの専業メーカーとして投資家に広く社名が知られているが、その歴史は古く、今年で創業83年を迎えている。創業時は、電気絶縁材料を加工する町工場からのスタートであったが、1960年代より、それまでアメリカ製の模倣だったコネクタをオリジナルで初の国産化に成功し、その後、オリジナル製品の設計・開発するメーカーへと大きく成長していき、現在に至っている。
グローバル展開も進め、世界トップの各完成品メーカーが同社の顧客となったが、用途別の主要な分野は、「産業機器」、「スマートフォン」、「自動車」、「コンシューマ機器」向けなど。
コネクタという部品は一般の方々にはあまり馴染みがないが、私たちの生活の中にある様々な電子機器の中で使われている部品であり、通信設備や電気設備、生産設備だけでなくスマホやIT家電、自動車などにも入っている。
▼幅広い分野に「使いやすくて質の良い部品」を提供
私は、このコネクタが、広く生活に行き渡っていることの証が、同社の分野別(用途別)売上比率だと考えている。同社の分野別売上高の構成比率は、2019年度ベースで、「産業機器向け」が32%、「スマートフォン向け」が25%、「自動車向け」が20%、「コンシューマ機器」向けが16%、と極めて用途分散がなされている。
コネクタの世界で、同社の(市場シェアの)強い分野は、主にスマホ、コンシューマ向けの小さい、「マイクロコネクタ」と呼ばれるもの。これは、爪先サイズのたいへん小さなコネクタであり、設計・加工技術、品質面等で高度なものが要求されるが、世界トップの各完成品メーカーのニーズに応える、「使いやすくて質の良い部品」を提供していることが同社の「差別化、優位性」につながっている。
このことは、結果的に製造品種の多さにつながり、なんとその数は約5万点にも上っている。電源用、内部信号接続用、外部接続用と、幅広く揃えているが、室長は「完成品メーカーの様にとって幅広いニーズに対応してお役立ちできることがヒロセ電機の役目」と語った。
▼経営指標で重視しているもの
そんな同社が経営指標で重視(KPI)しているものは、「収益性と新製品開発力」。そして、両社は実は密接な関係となっている。
同社の年間の売上高のうち、平均して毎年、その30%もの比率を「新製品」が占めているが、技術的に先行し、先端的な新製品を積極的に開発していち早く世に送り出すことが、結果的に前述した「差別化、優位性」、そして、「付加価値」につながっているのだ。つまり、「新製品開発力が収益性を生んでいる」。
これからの「重点分野」について、中期的な分野戦略として、少し欲張りのように映るかもしれないが、「スマホも含めコンシューマ市場向け」、「産機市場向け」、「自動車市場向け」と、3つ掲げたが、実はこれにも意味がある。
それぞれの分野毎の技術、開発力が高まることが、結果的に「分野横断的な提案力の強化」につながるということである。
ライフサイクルもボリュームも違う3分野を同時並行で取り組むことは、他のメーカーでは困難なことかもしれないが、同社の場合、「コンシューマ向けのソフトウェア技術が自動車向けに転用されるように、コネクタ技術も分野横断的に融合され、3分野の技術を持つことが強みになる」と考えることが可能な状態となっている。この発想自体が、同社の「揺ぎない強み」のような気がした。
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取材後記は以上です。いかがでしたか。
本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください。
それでは来週もお楽しみに!
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