「一時620円高で高値更新→その後は伸び悩む」
「中国経済指標発表・香港ハンセン指数52週安値更新」
「日本株と中国経済指標・香港株との連関性は?」
「中国12月自動車生産は初の300万台超え」
1月17日の東京株式市場では、日経平均が一時620円高となって、高値を更新しました。しかし、その後は伸び悩みました。
日本時間午前11時に中国の主要経済指標が発表されました。香港ハンセン指数が52週安値を更新していることから、中国経済指標と日本株安を関連付ける動きもあるようです。
しかし、香港ハンセン指数は年明けから下落基調が鮮明です。一方で、日本株が約34年ぶりの高値を勢いよく更新しています。だから、中国株と日本株は全く連動していません。日本株は中国経済への期待で上昇していた訳ではないので、本日、急に中国経済と日本株を関連付ける必要性はないと考えます。
そもそも12月の中国の経済データは悪くはありません。12月の小売売上高は、前年同月比7.4%増加となりました。時系列で見てみましょう。
中国 小売売上高
2023年
10月4兆3333億人民元(+7.6%)
11月4兆2505億人民元(+10.1%)
12月4兆3550億人民元(+7.4%)
「11月の10.1%と比べて12月の増加率が鈍化した」との指摘もあるかもしれません。しかし、昨年2022年の11月の減少率は5.9%、同12月の減少率は1.8%でした。今回の23年の小売売上高の2021年との比較を計算すると、11月が3.6%増加、12月が5.4%増加となります。12月の小売売上高は11月と比べても堅実な数字です。
次に工業生産高を見てみましょう。12月は前年同月比6.8%増加です。
中国 工業生産高
10月+4.6%
11月+6.6%
12月+6.8%
工業生産高の伸びを牽引しているのは自動車です。12月の自動車生産台数は300万台を突破しました。新エネルギー車の生産台数は前年同月比で4割以上も伸びています。
中国の自動車生産台数(前年同月比)
2023年
10月277万9000台(+8.5%)
11月295万3000台(+23.6%)
12月304万台(+24.5%)
中国の新エネルギー車生産台数(前年同月比)
10月92万7000台(+27.9%)
11月100万6000台(+35.6%)
12月114万1000台(+43.7%)
中国の自動車生産のうち、38%を新エネルギー車が占めています。
先ほどの小売売上高では、自動車販売金額は5420億人民元(前年同月比+4.0%)となっていました。中国国内の自動車販売金額は前年同月比で4%増加に過ぎないのに、生産台数は24.5%も伸びています。中国の自動車業界は輸出に活路を求めています。
中国で生産してインドや東南アジア、アフリカで自動車販売を伸ばすビジネスモデルなので、日系よりも現地企業の生産が伸びていると推測されます。
以下、パソコンや携帯端末の生産台数を記載しておきます。パソコンはまだまだですが、中国の携帯端末・スマホ生産は勢いを増しています。
微型计算机设备(万台)
(PC)
10月2837(-17.9%)
11月2995(-2.8%)
12月3089(-6.4%)
移动通信手持机(万台)
(携帯端末)
10月15002(+2.6%)
11月16101(+21.6%)
12月16935(+29.6%)
うち智能手机(万台)
(うちスマホ)
10月11297(+1.1%)
11月12127(+25.1%)
12月12909(+29.3%)
1月17日水曜日午後3時10分記