「JPモルガン決算発表、株価は6%下落」
「消費者向けビジネスが伸び悩み」
「ミシガン大学の4月消費者向け調査、"インフレ減速減退"に不満」
米国金融機関の決算発表が始まりました。NYダウ採用銘柄でもあるJPモルガンは12日、1-3月期決算を発表しました。株価は6%下げました。
JPモルガンの株価(12日)
182.79ドル(-12.64ドル、-6.47%)
JPモルガンの1-3月期(前四半期比)
営業収入419億ドル(+9%)
非金利収入227億ドル(-7%)
貸倒引当金18億ドル(-32%)
1株利益4.44ドル(+46%)
JPモルガンの1-3月期1株利益は4.44ドル。前四半期比で46%の大幅増加となりました。貸倒引当金の大幅減少が寄与しました。投資銀行分野の利益が47億ドルと前四半期比で88%の大幅増加となって全体を牽引しました。
しかし、消費者向け融資事業の利益は48億ドルと、前四半期比で1%の増加にとどまりました。銀行分野の収益が期待外れとされて、株価は大幅安です。他の金融株も総じてさえない動きです。決算発表のシティグループは1.7%下落、ウェルズファーゴは0.3%下げました。
JPモルガンのダイモンCEOの決算資料上のコメントを以下に抜粋して引用します。
「多くの経済指標は引き続き良好だ。しかし、今後、いくつかの重大な不確定要素に警戒が必要だ。第一に、世界の不穏な情勢である。暴力が苦しみをもたらし続け、地政学的緊張が高まっている」
「第二に、インフレ圧力の持続である。インフレ圧力は継続する可能性が高い」
「最後に 量的引き締めの影響である。これは経験したことがない」
「これらの要因がどのように作用するかはわからない。しかし、私たちは様々な潜在的環境に備える必要がある」
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ミシガン大学は12日、4月の消費者態度指数を発表しました。
ミシガン大学消費者態度指数(4月)
総合77.9(前月比-1.5)
現状79.3(前月比-3.2)
期待77.0(前月比-0.4)
現状、期待指数とも前月比で低下しました。JPモルガンの消費者向けビジネスの伸び悩みと合わせて、意識しておきます。以下にミシガン大学の解説を抜粋して引用しておきます。
「消費者心理は4ヵ月連続で横ばいとなった。1月以降、消費者心理は2.5ポイントという非常に狭いレンジで安定している。統計的に意味のある差である5ポイントを大きく下回っている」
「消費者は、今年4カ月の経済の状態にほとんど変化がないと感じている。家計、景況感、労働市場に対する期待は、過去4ヵ月間すべて安定していた」
「しかし、4月にインフレ期待がわずかに上昇した。これは、インフレ減速が停滞したという不満を反映している」
「全体として、多くの消費者が経済の軌道に大きな影響を与える可能性のある次期選挙を考慮している。そのため、消費者は経済に関する判断を保留している」
「1年先のインフレ期待は、前月の2.9%に対して今月は3.1%に上昇した。パンデミック前の2年間に見られた2.3〜3.0%のレンジをわずかに上回った。長期インフレ予想も前月の2.8%から今月は3.0%に上昇した」
4月13日午前6時15分記