伊藤政昭ブログ その3 [修了生ブログ]
2016/05/28(土) 15:34 ディレクター

ボートレースの勝負は、言うまでもなく、そのモーターをいかに動かせるかに、かかっています。SGレースを優勝したことのある、元選手の方に、こう伺ったことがあります。
「実際、モーターと選手と、どちらで舟券を考えた方が得策ですか?」
その方の答えは明解でした。

「モーターボート選手ですよ!」

「モーター・ボート・選手」・・・。
つまり、モーターがあって、ボートがあって、選手がいる。そのままの順番だと話されました。

確かにモーターが劣勢だった場合、どんな名プレイヤーでも、大苦戦するのもボートレースであるのは事実です。また、だからこそ、少しでも良い着順を取れる確率を上げられるように、選手は格闘を続けます。その調整整備のために、多くの選手が取り組むのが、プロペラです。

紙一枚の厚さ薄さでもモーターの動きは変わると言われるプロペラ調整。
私達、リポーターも、これをどう伝えるか、深く考えるわけですが、先日、平和島GI戦の最終日、優勝戦に出場する選手の中で、こんな対象的な様子がありました。

このレース、3号艇には2010年のグランプリを制した中島孝平選手。5号艇には、昨年、グランプリを始めSGを3勝、MVPに輝いた山崎智也選手。結果からお話しますと、中島選手が2着、山崎選手が3着で、枠番を考えれば共に上首尾な結果でしたが・・。

その日の二人の動きは正反対でした。

山崎選手は、朝、試運転をしたあとにプロペラの作業。その後、全く動きはありませんでした。
中島選手はというと、朝、試運転したあと、昼過ぎから動き始め、その動きは、プロペラ調整→試運転→プロペラ調整→試運転・・・。休まることはありませんでした。
調整に関しては、のんびりしてる方が好状態というのが、一般論。この時の二人のモーター比較では、中島選手の方が上だったことは自他共に認めるところ。しかし、動きは中島選手の方が多かったわけです。

何故か?

これは、共に最高レベルであることを示す「動き」なのです。
中島選手は、モーターの手応えを十分に話しながらも、だからこそ細かい舟の微妙な動きの違和感にプロペラを叩きました。もちろん、レースはこの日だけではないので、今後に向けての蓄積のためでもありますね。
また、山崎選手は、本人が納得に近いですターンをできる状態に近いことを感じ、「これなら」との判断で、午後は動かなかったわけです。つまり、限りなく使用モーターのMAXだと感じられてたと思います。逆に言えば、中島選手はMAXとは捉えていなかったということになりますね。

調整整備には、リスクもあります。必ずしも正解とはならないことも少なくはないと聞きます。そういった中で、最善を尽くすレーサーたちの「動き」は、まさに真剣勝負。その思いも、我々は伝えていく。リポーターの仕事には、そんな楽しみも潜んでいます。


















 

伊藤政昭 レースアナウンサー養成講座第13期修了生

『グリーンチャンネル』

・中央競馬パドック中継MC

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・その他特番進行MC等

『レジャーチャンネル』

・ボートレースタイム(ボートのニュース番組です)MC

・SG・GI中継総合MC

・その他レースライブMC等

 

平和島、桐生、多摩川他ボートレース場『ピットリポート』、『勝利者インタビュー』など。