原山実子ブログその7「千葉サラブレッドセール」 [修了生ブログ]
2017/05/19(金) 15:35 ディレクター

JRAの春のG1シーズン真只中です。
この時期、大きなレースが続きますが、もう来年、再来年のG1を狙う馬たちの動きは、始まっています。
その動きの1つが
「競走馬の競り市」
特にこの時期は、即戦力になる「2歳馬」を実際に走らせてからセリにかける「トレーニングセール」と言われるものが行われています。

 

2017年5月12日。トレーニングセールの一つ、
「千葉サラブレッドセール」

が千葉県船橋市にある船橋競馬場で行われました。


かつて「御料牧場」などがあった千葉は、昔は馬産が盛んな所でした。
そこで開かれていた1歳馬の競り市「両国市場」が、2003年から2歳馬のトレーニングセールに姿を変え、船橋競馬場で行われるようになって今年で15年目。
私はトレーニングセールになる前の「両国市場(1歳馬セール)」の頃から、セリの司会進行を担当させていただいています。
因みに「両国」とは、千葉県の富里あたりにある地名です。
(現在、千葉の1歳馬のセリは休止しています)


今年セリに参加したのは11件の牧場、72頭のデビュー前の2歳馬たち。
この千葉サラブレッドセール(通称『千葉セリ』)に上場するために、馬のトレーニングはもちろん、カタログ用の写真撮影など、準備はずっと前から始まっていました。

kasetsu babo

セリの前々日の5月10日、いよいよ船橋競馬場の仮設馬房へ入厩が始まりました(左写真)。
まだ若い馬たちにとって、長距離輸送、慣れない環境など大変なことばかりです。
そんな中、セリ前日には購買希望者向けの展示が行われて、お客さんがたくさんお見えになります。


私のお仕事は、セリ当日の公開調教とセリの進行、アナウンスです。毎年のこととはいえ、すべてリハーサルなしのぶっつけ本番です。

chiba sale セリ当日。5月12日、朝6時。
私が船橋競馬場に到着すると、この時間でもうすでに各牧場とも準備完了、な状態。活気にあふれていました。
公開調教で騎乗する船橋のジョッキーたちも、続々と集まってきます。


7時。公開調教のアナウンススタッフが、競馬場のスタンド上部にある、裁決の部屋に移動します。
写真=公開調教のアナウンスをする裁決室から
ここには、上から状況把握しつつ、トランシーバーでスタートの指示を出す千葉セリのスタッフ、タイムを計測する専門紙のトラックマンさん、アナウンスをする私で、公開調教を進めていきます。
セリで解説をする合田直弘さんも、ここで各馬の走りを見守ります。

8時。公開調教スタート。
千葉サラブレッドセールの公開調教は、2頭併せ馬で行います。

向こう正面をスタートして、コースを半周し、最後の2ハロン、1ハロンのタイムを計測。
それを、観客がメモをとれるくらいのスピードで話すことを意識しつつアナウンスします。
息をつく間もなく、すぐに次の組がスタート。
今年は36組、72頭の2歳馬が船橋競馬場のコースを、無事に駆け抜けました。

9時過ぎに公開調教が終了。

牧場の皆さんはすぐに馬を丸洗い、ブラッシング、お手入れ、「おめかし」をしてセリに備えます。

セリ場に出てくる馬たちはみんな毛ヅヤがピカピカで、本当に美しいです!牧場の皆さんの手間と努力のたまものです。


10時。千葉サラブレッドセール市場長・吉田照哉氏のあいさつの後、セリがスタートしました。
上場番号、性別、毛色、父名、調教タイムの紹介の後、ここで合田直弘さんの解説が入ります。
種牡馬、牝系の特長や産駒・近親の活躍馬、購買意欲をそそるような小気味よいテンポのいい解説は、千葉セリの名物になっています。
そして、鑑定人・社台ファームの長浜卓也さんは、印象に残るワードをちりばめながら、明るく元気よくセリを進めます。

 

かつて、千葉セリで飛び出した合田さんの名セリフには

「電光石火の快速馬」
「野心的なクロス」

「戦略的な配合」
「父はアスコットの破壊王・ハービンジャー!」

などがありましたが、今年は種牡馬紹介で
「ストロングリターン、レコードを出すのは大野商事かこの馬か!」
思わず隣で笑いたくなることもしばしばです。

鑑定人の長浜さんも負けてはいません。
昨年は
「千葉のスウェプトは裏切りませんっ」
とスウェプトオーヴァーボード産駒を推していましたが、今年は
「千葉のスウェプトにはずれ無し!」
とセリを盛り上げました。


セリが熱を帯びて、次々に購買者から合図があり、スポッターの元気な声と共に手が上がり、値段も上がっていきます。
落札のハンマーの音が鳴ると、私の手元にある購買者一覧からお名前を探し出し、落札価格、購買者、購買のお礼を述べ、すぐに次の馬が入ってきます。
これが繰り返されて、千葉セリが進行していきます。

 

今年は上場頭数が増えたにも関わらず、順調なセリで、
13時30分にすべての上場が終了。
売却率は79.2%。7億2740万円を売り上げました。

競走馬のセリは、厳しい側面もあります。

牧場は馬を上場するにあたって、相当の費用をかけています。

売れなかった場合、つまり「主取り」になれば、費用の回収はできません。
セリは牧場にとっても、購買する馬主さんにとっても真剣な場。
それを伝える側も、緊張感を持って臨んでいます。
だからこそ、セリ場で見学を希望される方は、それを知ったうえで、マナーを守っての行動をお願いしたいのです。


私がこのセリで喋るにあたっては、いくつか気を付けていることがあります。

聴く側にとっても長時間なので、声を張り過ぎないよう、少し柔らかく聞こえるように。

そして、なるべく声の高低差が無いように喋ることを心がけています。

この馬の時は声が明るい、元気がいい、この馬の時は静かだった、などということがないように。72頭、どれを聞いても同じように聞こえるように。
そして、きちんと伝わることは当然ですが、印象に強く残り過ぎることがないように。
そういう喋りができているといいな、と思っています。

 

今回取引された馬たちは、JRA所属なら、早ければ6月にデビューすることが可能です。

地方競馬はすでに新馬戦が始まっています。
一度、馬名が決まる前の「母名・生まれ年」の名前を呼んでいるので、どうしても千葉セリの上場馬たちはひいき目に見てしまします。

新馬戦で、競馬新聞の馬柱の空欄に「千葉サラブレッドセール」と書かれていたら、

「この馬は、このコースを走る前に、船橋競馬場を走って取引されたのだな」

と思って、ぜひ注目してみてください。
今年はどの馬が最初にデビューするか、勝ちあがるのか。本当に楽しみです。






原山実子
 レースアナウンサー養成講座第6期修了生(本人ブログより)

原山さん

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